解かずに3万円で古い着物が染替えできる!丸染!


亀甲の部分の白が元の地色。全体に色を掛けると右のように。部分々々白の亀甲を糊で伏せて残して染めるとこれまたおしゃれなものになりますね。

普通染替えは、仕立て上りの着物ならば、解いて、染めて、縫い直します。今度のビフォーアフター展でご紹介する「丸染」はそのまま染め替えてしまう、スゴ技なんです。
なぜ3万円かというと、仕立て代が入らないからです。そうです。仕立て上がりの着物を解かずに染めますから、当然、仕立て代がかからないんですね。
凄い技ではあるんですが、手荒い技ともいえます。決して大切なものにはお勧め出来ません。デメリットもあるからです。

①多少、縫い目のツレや、縮みが出ます。(寸法的には99%OK)
②胴裏も同じ色で染まってしまいます。(考え方によっては尚の事良いかも)
③寸法は変えられない。(体型の変わらない方はOKですね)
④この技術を持つ人がまだ少なく、時間がかかる。(それでも2ヶ月ぐらいです)
⑤紋まで染まってしまう。(おしゃれに着たい人には良いですね)
⑥八掛も染まってしまいます。元の色の上から染めますので指定の色には出来ません。
⑦素材は絹ものに限ります。(化繊の胴裏・八掛は染まりません。これも又良し?)
⑧縫い糸が化繊だとやはり糸だけ染まらず、ステッチのように目立ちます。

メリットは最初に挙げたように3万円ぐらいで仕上がってしまいます。
黄ばんだ胴裏も一緒に染まってしまうので、新しいものに替える必要がありません。八掛も同様です。
染代 プラス 特殊仕上げ で3万円ぐらいということです。

これまでの常識を超える、夢のような染め替え技術ですね。
店主もいの一番してみました。モノは能登上布。「丸染」は絹物に限るのですが、木綿など植物繊維の場合、まとめて黒などに染めてもらえます。時間的に余裕があれば対応可能です。
20年前に青山店に勤務していた頃につくったマイファーストきものが白地の能登上布でした。夏の研修旅行に着てそのまま仕舞い込んでしまったのです。とてもきもの屋さんのするような行為ではないですね。その後着ようとたとう紙を開けたときにはご想像の通り、汗をかいたところ、袖口、衿、上前など茶色いシミが一杯でした。こりゃダメだと諦めて、仕舞い直して15年。もう着ることが無いと思っていたところに丸染め紹介があってならばと、出してみました。
真っ黒ではなく、絣が見える程度のグレーに染めてもらいました。
もう感動もんです。10万円得した気分でした。これはお客様に喜んでもらえるわ。ということでご紹介させてもらってます。

店主の丸染体験には後日談があります。
嬉しくなって早速着てみようと羽織ったら、身幅が狭いのです。縮んだのかな?と思ったら、肥えたのでした。20年前、店主もかなりスリムだったんですね。正直10キロ以上は太りました。(激白!)ということで、着方でもカバーできない狭さだったので結局、解いて仕立て直しました。幸い、解いたところも染まっていたので、そのまま仕立て直しだけで済みましたが、袷のきものだったら、全くの2度手間になっていたことでしょう。
丸染のデメリットはそんな経験も踏まえての当店ならではのアドバイスと思ってください。

そんな良くも悪くも「丸染」に興味をもたれた方は是非、現物見本を展示しますので見に来てください。ご自身の目で確かめて、こんな程度なんだ!案外やるじゃない!とか思っていただければと思います。

見本の展示会は「ビフォーアフター展」として
とき:11月15日(木)~18日(日)まで
場所:金沢市片町ラブロ7F 入場無料

で開催します。このときは丸染の見本やその他の染替えの技術を片身変わりでご覧になっていただけるようになっています。約20点は並べます。ご覧になって実際ご自分のきものをというご相談は22日より当店で専門の方もお呼びして行います。先ずはどんなものかご覧になってからというわけです。目から鱗のこんなこともあんなことも出来るんだね!というトレビア的見本陳列会です。お楽しみに。


これは洗い張りをして柄の部分を糊で伏せて引き染めしています。加工料約3万円

これも柄の部分が比較的綺麗なので地色を濃くして色褪せやシミを隠してしまいました。