麝香猫(じゃこうねこ)と視線が逢って・・・
青山・ゑり華で「きものサロン冬号」の企画の打ち合わせをしました。とっておきのこの1枚は加賀友禅ということで、当店の加賀友禅訪問着が何点か紹介されます。お楽しみに。
六本木に宿を取っていたので、次の日は東京ミッドタウンに行ってきました。お目当てはサントリー美術館。当店会長のコレクションから加賀のれんがこの世で初めて陽の目を見たのがサントリー美術館でした。36年前のことですから場所も違いますし、時代も違います。また、こんな素晴らしい美術館で多くの方に見ていただける機会があれば嬉しいなと、美術館の方にもお願いしてまいりました。
館内では「BIOMBO/屏風 日本の美」という開館記念の特別展が10月21日まで開催されています。さすがに見ごたえのある内容です。海外に渡った里帰りの作品は滅多に見ることの出来ないものばかりです。
その中でも店主は麝香猫の再会に目が留まりました。もともと対になっていたものが、一つは海外に、一つはサントリー美術館所蔵ということで、なんと百何十年ぶりかで雌雄の麝香猫が再会したのでした。並べるとちゃんと視線が逢うんです。 ところで・・・
その視線を確かめていると、素敵な若い女性と目が逢ってしまいました。
「素敵ですね。」と微笑みながらその女性。
「本当に視線が逢っているんですね。」と私。
「いえ、きもの姿が・・・」
「え? あ、ありがとうございます・・・」
視線をなんとなく感じてはいたのですが、まさか店主のきもの姿を見ていらしたとは・・・
きものの袂(たもと)に入れた「金沢の香り」のせいだったのかな?
いえいえ、麝香の仕業だったのでしょう。
とか何とか思いながら、また、きもの姿でいい想いをしてしまった店主でした。
かなり大きな屏風ですが、しっかり目と目が合っているんです。