背守り~加賀の押絵紋 その1
背守り付 男児上布絣一ツ身
背守り付 女児上布絣一ツ身
豪華な羽子板は生地を立体的に見せる押絵という技法で作られています。この手法で作られている、背守りは、加賀独特のものです。背守りは全国的にあります。子供の一つ身の着物には背縫いが無いため、そこから魔が差すといわれ、糸で背守り(背縫いのようにみせてあるもの)を付ける習慣があります。当然、今の話ではなく、江戸時代の話しですが。
藩政時代の加賀藩の寺子屋では読み書きそろばんと女子には押絵を教えていました。小さい頃からのたしなみとして、起用にしていたのでしょう。その押絵を背守りに応用したものが押絵紋です。加賀の人の想像力というか、お洒落さというか、一味違うことを考えるんですね。
会長のコレクション(花岡コレクション)にいくつか見られます。とても可愛らしいものです。絣の渋い子供の着物にこの押絵紋が付いているだけで、何とも愛想らしいものになるから不思議です。
この押絵紋を大人用に作ったのが当店オリジナルの背守り押絵紋です。以前は押絵作家の山本ユタカさんに作っていただいてましたが、現在はそのお弟子さんの寺井正恵に作っていただいてます。