木村州宏さんの手拭展

木村州宏さんは私がまだ中学生の頃、ゑり華が開店して間もない昭和48、9年ごろからのお付き合いの友禅師さんです。父から友禅のいろはを教えてもらったと、ご本人は言われますが、大変な努力家で何事にもまじめに、一生懸命取り組まれる方です。そんな木村さんが不治の病ALSにかかり、お仕事が出来ないとお聞きしたのが、今年の夏。よくよくお話を聞くと、ゑり華創業期に木村雨山さん(加賀友禅の人間国宝)の糸目糊を引いていただいた、恩義のある方でした。私が出来ることは、木村さんの原画を手拭にすることでした。そんなことがきっかけとなって、今回の手拭の図案展に発展しました。友禅のお仕事が出来なくなってしまった木村さんにとって、手拭画を指で描くことは生甲斐と新たな収入源となることでしょう。ぜひ、平成18年12月19日からの個展をご覧になってください。死を目の前にした人とはとても思えない、穏やかな作品です。

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