本店染織工芸サロンでは時代加賀のれんを展示

加賀のれんの中でも「外のれん」といわれる普段掛けのものです。
いわゆる花嫁のれんとは異なり、華やかさはありませんが、普段から掛けるのれんとして、飽きの来ないお洒落で小粋なものが多いのです。

日本の美の象徴ともいえる、空間美を見事に表現していますね。

今回は筒描きの作品と型染めの作品を見てみましょう。
ともに素晴しいデザインと出来栄えです。

こちらは筒描き。
裏もしっかり表と同じように筒で描いています。
描くといっても糯糊で生地に模様部分をふさいでいると言ったほうが良いかもしれません。

糊を置いた後、藍甕に何回も入れて藍染して、最後に水洗いしてその糊を落としてしまいます。

糊でふさがれて藍に染まらなかったところが、くっきりと生地の白として上がります。

もう一つの外のれん、じつはこちらは型でその糊を置いてます。どこが違うか分りますか?

見分けるヒントは模様で重なっているところにあります。
目ざとい人はもう、お分かりですね。

そうです。手で置いた方は重なるところが、ちょっと太くなるんですね。
一方、型で糊を置いたほうはきっちり柄が出ます。重なったところも太らないのです。

それでは型の方が良い仕事なの?というとそうでもありません。
よく言う味が違うのですね。
ぐいっと力が入る所や跳ね具合など、型にはない魅力があります。不慣れなビビリも味の内ですね。

そんな処も見てもらえると嬉しいですね。

◇ところ : 加賀染織工芸サロン
金沢・タテマチ 加賀友禅の店 ゑり華 内
◇と き : 平成21年11月1日(土)~27日(日)
AM10:00~PM7:00 水曜定休
◇入場無料