新作加賀友禅~付下げ柄の訪問着をコーディネート
本日ご覧にいれるのは、山田武志作の訪問着。
八掛も付いているので訪問着なのですが、店主からすれば
これは付下の柄付けですね。
最近、加賀友禅の世界では「付け訪」という言葉がよく聞かれます。
なんですか?と尋ねたら柄の少ない訪問着をそのように云っているとか。
大手呉服NC(ナショナルチェーン店)が作らせている、柄の少ない、
というよりは単に柄を省いた訪問着です。価格を安くするために。
価格というより、原価を下げる為の苦肉の策といった方が良いかも
しれませんね。
柄が少ないものはダメだといっている訳ではありません。
柄を少なくすることは、実は大変なのです。
ポイントをしっかり押えて間を上手く活かさなければいけません。
簡単にできることではありません。
今回ご紹介の訪問着は付下げ柄のようにお茶席でもしっとりと
お召しいただける、なんともすっきりと落ち着いた雰囲気の
柄付けになっているものです。
店主にははっきり、分かります。単に省いたものか、最初から
意図して創ったものか。
これは間違いなく、後者のものなのです。
お年巾も広く、小物を変えるだけで十分対応してくれます。
今日は渋い臙脂の帯締めで若さを出して見ました。