宮野勇造作品展 遠きにありて-金沢三文豪を描く

宮野ご夫妻と。店主はもんぺ代わりのオーバーパンツをはいたままで失礼しました。

パワー溢れる作品に囲まれると、圧倒されます。

おそらく、加賀友禅の作家さんの中でも最も図柄を沢山起こしていらっしゃる
のではないでしょうか?

宮野さんは全国の呉服店や百貨店の展示会へ出向いてはお客様とよくお話し
されています。そして、出向いた先で必ず新柄をイメージしたり実際に起こしたり
して、それこそただでは帰らない素晴らしいバイタリティーをお持ちです。

今回のテーマ、金沢の三文豪でも、そこからイメージするものは実に軽快です。
ともすると下手な俳句みたいに全部言葉で表したりします。着物だとモロ描いて
しまう、おもしろなさでしょうか。ある一部をうまく捉えて情景で表現する、
宮野さんの表現はまさにそんな想いの表し方です。

宮野さんとお話ししていたのは、コンセプトという自分自身の想いを込めているか?
というものでした。
新しい柄を考えたりするにしても、情報の取り方が間違っているよね、とお話し
されます。同感です。出向いて情報を蓄えている人は違いますね。

当店でも宮野さんの作品は欠かしたことがありません。でも足が速いです。
現在は訪問着が二枚だけになっています。

世間で不況とか言われていますが、皆さん素敵なものを求めています。
こんな時こそ原点に還ることが大切です。加賀友禅は自然の中から生まれたの
ですから。 スケッチしかないでしょう。当店の会長が常々言っていました。

スケッチもしないで想像で描くと嘘がすぐバレバレです。
しっかり観察しなければ、感動の因子も何も生まれてこないのです。

宮野さんには若い人にそんな加賀友禅の真髄を力強く語って欲しいと強く
望まずにはいられません。

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