加賀の千代紙~贅沢な加賀友禅の千代紙

ネットショップからのお問い合わせもありましたので、ちょっと語らせていただきます。

開発のきっかけは、18年前にさかのぼります。
金沢駅の高架に伴い、現在の金沢百番街というショッピングゾーンが新たに出来ました。
当店もご縁あって、今のおみやげ館に出店することが出来ました。
柱一巻きという広い場所を頂き、友禅のオリジナルショップ、金沢からの贈り物をコンセプトに
お店づくりと商品開発に取り組みました。

商品群の柱に「布」以外のものを据えたいと考え、開発したのが「加賀の千代紙」なのです。
板場のある染屋さんにお願いするのですが最初は取り合ってくれません。
板場というのは型染をする長~い台(約13メートル)のある染場です。
金沢で板場のある染工場は現在では本当に少なくなりました。京都でも日本中でも同様ですが・・・

店主もしつこく何度も何度もお願いして、最後は染工場の社長さんではなく、職人さんが
了解してくださいました。金沢の職人魂ここに有り!と言うぐらい、このときの嬉しさは今も忘れません。

そうした末に染め上がったのが「加賀の千代紙」というなんとも贅沢な友禅紙なのです。

最初は染める紙自体もこだわり、金沢・二俣の斉藤博さんの手漉き和紙を使いましたが、
さすがに高価になりすぎ、機械漉きの和紙を使用するようになりました。

使う型は加賀友禅着尺を染める型をそのまま使いました。
ご存知のように、加賀友禅は多彩なうえに「ぼかし」で繊細な表現をします。
そんな訳で一枚あたりの大きさは約40センチ×60センチ
使う型枚数は20枚以上にもなりました。

また、長い反物を染める型なので、型次ぎという凹凸が両端に出てきます。
柄は4柄あるのですが、人気はなんといっても「御所解」柄です。
地色は10色以上つけました。

細かい草花文様が全面にちりばめられ、どんなに小さく切ってもその存在感は失われない
凄い千代紙になりました。

印刷の世界では凝ったポスター印刷が特色5色使いと言うだけでもたいへんなものだと聞きましたが
この「加賀の千代紙」は濃淡合わせて20色を重ねています。印刷の常識では考えられない
とんでもないことを、友禅染という仕事では当たり前のようにしていたんですね。

それは魅了されないわけが無いというぐらいのものになるわけです。
そうして出来上がった「加賀の千代紙」で様々な友禅紙製品を開発しました。
中でも評判が高かったのが「かなざわ小町」というあぶら取り紙です。

金沢名物のあぶら取り紙に「加賀の千代紙」の表紙をつけたもので、価格も315円とお求め
やすいこともあって、当店の人気商品となりました。

「加賀の千代紙」の他にも数々の商品を開発してオープンしたのが
金沢からの贈り物 華や KANAZAWA
なのです。ちょっと懐かしさも手伝って長くなりました。
どうぞ、今後もご愛用のほど、お願い申し上げます。

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